
短期インスリン療法のおすすめ
●コントロール不良となった糖尿病患者さんでは、慢性的な高血糖のため,膵臓からのインスリン(血糖を下げるホルモン)の分泌や,身体でのインスリンの働きが弱くなっています。これを糖毒性が生じるといいます。この状態を放置しますと,患者さんは高血糖のために更なる高血糖を生じるという,糖毒性の悪循環の中に陥り,糖尿病はどんどん悪化して行きます。やがて,膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)は疲れ切り,ついには、β細胞の数は極端に減少し,血糖を下げるために必要なインスリンの分泌が出来なくなります。そうなりますと、生涯、不足するインスリンを注射で補う治療(インスリン治療)が必要になります。
●従って,生涯のインスリン治療を避けるためには,高血糖を放置せず,出来るだけ早く,適切な治療を受けることが必要です。つまり、糖毒性を速やかに改善し,その悪循環を絶つことにより,糖尿病がどんどん悪化してゆくことを防ぐ必要があります。そのためには,早期の短期インスリン療法が最も有効で,確実な方法です。この治療法は短期間(5〜10日間),不足したインスリンを注射で補い,疲れ切った膵臓のβ細胞を休息させることにより, 膵臓のβ細胞を再び元気にさせ,インスリン分泌力を回復させる、最新の治療法です。
●当院では約2週間の入院による短期インスリン療法を行っています。火曜日に入院していただき(入院曜日は変更可)5〜10日間インスリン注射を行うことにより膵臓のβ細胞の働きを回復させ,インスリン分泌力が回復した後に,経口薬に変更して、退院します。入院中に同時に,糖尿病の合併症(脳,心臓,手足の動脈硬化,心臓,腎臓,目の病気等)の検査を行い,さらに,患者さんにとって、是非必要な,糖尿病についての知識を学んでいただきます。
●短期インスリン療法をお勧めする患者さんは,初診時すでにコントロールが悪い(HbA1C 8%以上),あるいは経口薬を服用中なのにコントロールが悪い(HbA1C 8%以上)方々です。これらの方々は、このまま放置すれば,上記の理由により,やがて、生涯,インスリン注射が必要になります。糖尿病治療で最も重要なことは,糖毒性の悪循環を絶つことにより,生涯にわたって、膵臓のβ細胞が弱るのを防ぎ,インスリン分泌を行っている大切なβ細胞を守ることです。β細胞を弱らせてしまう前に,是非,早めに治療を受けて下さい。β細胞が弱り、β細胞の数が減ってしまってからでは遅いのです。
●治療を希望される方,あるいは短期インスリン療法について詳しく知りたい方は,毎月曜日、糖尿病外来(岩城)を行っておりますので、予約をお願いします。予約は内科外来、または電話で行っています。尚,受診時は食後血糖を調べますので,朝食,昼食は済ませて来院してください。
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