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リハビリテーション通信

咀嚼(そしゃく)について

はじめに

食べ物や飲み物を認識して口に取り込み、咀嚼(そしゃく)して飲み込みやすいかたまりにし、喉を経て胃へと送り込む一連の過程のことを摂食嚥下機能といいます。言語聴覚士は摂食嚥下機能に困難を要する患者様のサポートを行っています。今回のコラムではこの機能の中の「咀嚼」について考えてみたいと思います。

咀嚼とは

咀嚼とは、食べ物を口に入れて歯・舌・顎を使ってすりつぶし、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすいかたまり(食塊)にすることです。

咀嚼の役割

・消化を助ける

咀嚼をすることで粉砕された食物が唾液とよく混ざります。唾液に含まれる消化酵素のアミラーゼなどが働き、胃腸への負担を減らし消化や吸収を助けます。

・満腹感が得られやすくなる

咀嚼回数が増えると脳の満腹中枢が刺激され、満腹感が得られやすくなります。その結果食べ過ぎの予防に繋がります。

・脳の働きを活性化する

咀嚼をすると脳の血流量が増え、脳が活性化するといわれています。集中力や記憶力、認知機能にいい影響が期待されます。

・顎や歯の成長や発育の促進、維持

咀嚼により顎の骨や口周りの筋肉が鍛えられ、歯並びや噛み合わせの土台を作ります。また、顎の筋力の維持にも重要です。

・唾液分泌を促進させる

咀嚼によって唾液の分泌が促進されます。唾液には口の中を清潔に保つ自浄作用や細菌の繁殖を抑える抗菌作用、食べ物を飲み込みやすくし会話をしやすくする潤滑作用等の役割があります。

・ストレス軽減につながる

一定のリズムで咀嚼することがセロトニンの分泌を促進させます。セロトニンは自律神経を整え、ストレス軽減やリラックス効果をもたらせてくれます。

どのくらい噛めばいいのか日本咀嚼学会では健康を維持するために「一口30回噛む」ということを推奨していますが、これはあくまで目安として考えられています。硬いものや柔らかいものといった食物の違いや調理法の違いによっても咀嚼の回数は変わってくると思います。必ず30回噛まないといけないということではなく、食物に合わせて意識することが重要であると思います。安全に飲み込め、食事が苦痛にならない程度によく噛んでみましょう。

おわりに

咀嚼は単に食べ物を噛むだけの行動ではなく、私たちの体や心の健康に関わっています。毎日当たり前のように食事を取り、咀嚼ということを意識する機会は少ないと思いますが、この機会に少しでも意識をしてよく噛んでみませんか?

 

今回の執筆者:言語聴覚士 米田 美優(よねだ みゆう)
昨年10月に江藤病院に入職し、言語聴覚士として13年目を迎えています。2人の子供がいて食事はすっかり早食いの癖がついてしまいました。忙しい中でも「噛むこと」を意識し体も心も元気に。患者様にも元気を届けていきたいです。

 


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