当院は、移転してから4回目の春を迎えます。
これからも、地域の皆さんともっとつながりたい!
そこで、病院や部門、人をインタビュー形式でご紹介します。
第1回目は、リハビリテーション部 室長 作業療法士 犬伏友美さんです。
早速ですが、犬伏さんが作業療法士を目指したきっかけを教えてください!
高校時代、「病院で働きたいな」と漠然と進路について考えていました。「理学療法士・作業療法士という職業があり、リハビリテーションという分野で今後活躍が期待される」という新聞記事を偶然読んだことがきっかけで、職場体験に行きました。それが始まりです。
ー和田島町にあった頃から江藤病院をご存知だそうですね。
転勤を経て、平成24年から江藤病院で勤務させていただいています。平成29年に現在の大林町に移転となり、和田島町在住の方から「今までは歩いていけよったのに」「遠くなった」というお声をいただきます。旧江藤病院から現在の江藤病院までは無料の送迎バスが往復していますので、引き続き当院をご利用いただけると嬉しいです。
※旧江藤病院建物は、一部改装して住宅型有料老人ホーム・グループホームとなっています。
ー移転後、力を入れているのはどのようなことですか?
当院は、周辺地域にお住まいの方の在宅生活を支えるために大林町に移転しました。「地域の皆様の在宅生活を支える」ことは、当院の大きな柱です。移転時に回復期リハビリテーション病棟を新設し、広いリハビリテーションフロアを設けました。さらにロボットリハビリテーションを積極的に導入するなど、地域にお住まいの方が必要とするリハビリテーションをご提供する体制が整ったと感じています。
※広報誌「eto」 をぜひご参照ください。
ー移転で変わったことは?
移転で病院建物が広くなり、リハビリテーションスタッフの数も2倍以上に増えました。和田島地域の方々だけでなく、小松島市中心部や阿南市からもお越しいただけるようになっています。
ー変わっていないことは?
地域にとって「優しい病院」でありたいという理念は変わりません。
ー改めて、今の江藤病院のリハビリテーションについて教えてください。
「入院」と「外来」、地域で生活されている方に対する「通所」や「訪問」の大きく4つのリハビリテーションに分けられます。
ーそれぞれの概要を教えてください。
まず、入院リハビリテーションについて、地域包括ケア病棟、医療療養病棟、回復期リハビリテーション病棟と3種の病棟の機能・役割に合わせてリハビリテーションを行っています。リハビリテーション部には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という専門職が在籍しています。各病棟では、専門は異なれど多職種と連携しながら全員体制で、患者さんのリハビリテーションにあたっています。
ー外来リハビリテーションは?
外来リハビリテーションは、基本的に予約制です。医師の診察後、すぐにリハビリテーションを受けていただく場合もありますので、必要な時に必要なリハビリテーションを受けていただけるよう、体制を整えています。退院後に外来リハビリテーションをご利用くださる方については、情報共有して引き続きフォローできるようにしています。
ー通所リハビリテーションと訪問リハビリテーションについて。
通所リハビリテーションは、退院後などにお使いいただける介護保険サービスの選択肢のひとつです。ケアマネジャーからの紹介でご利用いただけます。なかには、体調不良による外来受診から外来リハビリテーション、通所リハビリテーションと引き続いてご利用くださる方もいらっしゃいます。継続性があることで安心していただけています。
訪問リハビリテーションでは、利用者さんのご都合にあわせて主治医が当院以外の医師であることもあります。どのような場合でも、経験豊富な職員が利用者さんとも医師ともしっかり連携しており、安心して利用いただけています。
ー幅広い対応力ですね。
急性期の治療を終えて、急性期病院からいらっしゃる方、在宅しながらも医療が必要な方などどのような場合でも対応できるよう、できる限りの体制を整えています。私たち職員もよりよいリハビリテーションをご提供できるよう勉強し続けています。地域の皆さまが地域での生活に戻るお手伝いを、心をこめてさせていただきます!
ー地域とのつながりも深いそうですね。
当院は「江藤さん」と地域の方々に呼ばれてきました。病院の名前に「さん」を付けて、親しい友人のように呼ぶ、呼ばれるということを当院で初めて経験しました。それだけ地域の方に愛されているんだなと強く感じましたし、昭和54年の開設から当院の先輩方が患者さんと築いたものとして、純粋に「すばらしい」と思いました。
ー職場の雰囲気は?
移転してからは増員しましたし、リハビリテーション部内は比較的若い世代の職員が多く、賑やかです。育休や産休中の職員がいるため、実際の在籍職員数はもっと多いんですよ。
新卒採用者だけでなく中途採用者も多くて、他の病院施設で積んできた経験をまるごと当院に持ってきて若い人に伝えてくれています。大助かりです。
ー全体的に職員の経験値が高くなっていくわけですね!
犬伏さんの最初の勤務地はどちらですか。
最初は徳島市、その後2年目の夏に沖縄県、3年目の夏に大阪府に転勤となりました。大阪府内での病院勤務を経て、兵庫県内にあるリハビリテーション専門学校の教員をさせていただくことになり、勤めていました。家庭の事情で地元に帰ろうとしていたところ、江藤病院への転勤を声かけいただき、平成24年に着任しました。
ー振り返ってみて、特に役に立ったと思う経験は?
大阪の病院勤務時代に、業務管理も担当させていただくことになりました。作業療法士という枠内だけでは経験できないような業務でした。例えば、他部門との調整や段取りなど、わからないながらに無我夢中で取り組んでいるうちに楽しく感じるようになり、その時のご縁が業務上の人間関係として今も続いていることもあって、とても助かっています。
ーお話を聞いていると、強い、江藤病院「愛」を感じます。
(笑)勤務していると、患者さんや利用者さんが「あんたは、江藤さんとこにおる娘やけんな」と親しく声をかけてくださることがあります。
ーありがたいですね。
地域の患者さんや利用者さんは、医師をはじめとした当院職員全員に対して、わけへだてなく「江藤さん」の人として接してくださっているように思います。院内スタッフも、患者さんの状況や気づきを多職種間で報告しやすく、おかげでチーム医療としても意思疎通が図りやすく、様々な提案がしやすい雰囲気があると感じます。
ー地域との信頼関係が成せる技ですね。
患者さん利用者さんに対して、奉仕の心と誠実さ、そして笑顔で接することができる職業人でありたいと常に心がけています。何より、私たちは地域の方々に育てていただいたようなものとありがたく思っており、そのご恩をお返したいと思っています。