今回のリハビリテーション通信は
「ウォーキング~速く歩いた方がいいの?時間は短くても大丈夫?~」
というテーマでお届けします!
(ここでの「速く」とは歩く速さのことで、早い時間帯に歩くということではありません。しかし、早朝に運動をすると良い点がいくつもありますので、それはまたの機会にお伝えできればと思います)
はじめに
厚生労働省の運動指針に「歩こう!一日一万歩!」とあるように、ウォーキングの運動量は広く周知されています。
〇 一日一万歩の根拠
※厚生労働省ホームページから引用
海外の文献から週当たり2000kcal(1日当たり約300kcal)以上のエネルギー消費に相当する身体活動が推奨されている。歩行時のエネルギー消費量を求めるためのアメリカスポーツ医学協会が提示する式を用いて、体重60kgの者が、時速4km(分速70m)、歩幅70cm、で10分歩く(700m、1000歩)場合を計算すると、消費エネルギーは30kcalとなる。つまり1日当たり300kcalのエネルギー消費は、1万歩に相当する。
ウォーキングって?
それではここから、今回のテーマである、「歩く速さ」についてお伝えしていきます。
結論としては「可能な限り速く歩いた方が良いです。短い時間では十分な効果が得られない可能性がありますが、時間が短いから無駄だというわけではないので、短い時間でも歩くと良いです」
やっぱりそうだろうな~、という感想かもしれませんが、このページを開いていただけたということは、少なくともウォーキングの必要性を感じてくださっていると思いますので、「速く歩く」ことで得られる効果に関してお伝えしていこうと思います。
〇速く歩くと良い点
(速さに慣れる必要があります)
- 歩幅が広くなる
- 歩く姿勢が良くなる
- 歩くリズムが良くなる
- 腕が良く振れる
- 顔が前を向きやすい
- 歩く効率が良くなり疲れにくくなる
以上のことから、一般的な正常歩行という状態に近づくということになります。
それではここで改めて、歩く姿勢に関して説明します。
図のポイントはあくまで「一般的なもの」ということはご了承ください。
動画で確認してみましょう!
それぞれの姿勢によって、注意するべきポイントの重要度は少し変わります。
また、「歩く」ことはリズム運動です。つまり一定のリズムで歩くことは効率が良く、疲れにくいということになります。理想的な歩行のリズムは1秒に2歩のペースが良いとされています。
しかし、ここで注意しなければならない重要なことは「転倒しないこと」です。いくら良いとされていることも、無理をすれば良い結果に繋がりません。「転倒→骨折→寝たきり」こういった経過を辿る方もいらっしゃることは事実です。前回の「適度な運動ってどれくらい?」というテーマでもお伝えしましたが、「無理なく」「楽しく」「続ける」ことが重要です。
また、歩く速度が5.43m/s(1秒で5.43m)以上の方の平均寿命が95歳以上、0.74m/s(1秒で0.74m)と遅く歩いている方の平均寿命が74歳ということが示された文献も発表されています。
それぞれの地域や生活様式で、こういった数字は変動しますので参考までにしていただければと思います。
スタッフからの一言
「歩く時間が短い」からといって、それを補うように無理をして速く歩いたり、姿勢を変えたり、坂道を歩くことで転倒するリスクが高くなるようであれば、本末転倒になるかもしれません。近年、短時間で最大限の効果が期待できるインターバルトレーニングの方法などもメディアでよく目にするようになりました。それぞれの体の状態に合わせて、無理なく、楽しく、運動を続けましょう!
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