あけましておめでとうございます。
旧年中は、リハビリテーション通信を読んでいただきありがとうございました。
本年も皆さんの生活の一助、リハビリテーションの一助と成り得ますよう、より一層努力をしてまいります。
よろしくお願いいたします。
さて、今回は2023年の年明け最初のリハビリテーション通信です。テーマは「ウォーキングについて」です。「聞いたことがある」、「いまさら・・・」とも思われる人が多いかも知れませんが、知っている人は「おさらい」として、知らなかった人は「なるほど」と読んでいただけたら幸いです。
まず、「ウォーキング」は老若男女を問わず、「いつでも」「どこでも」「誰でも」できる有酸素運動です。厚生労働省のe-ヘルスネットでは運動の強さや時間などを考慮しながら行うことで、生活習慣病の予防にもつながるといわれています。
ではどんな効果があるのか、大まかなものを挙げると、
1 心肺機能の向上
有酸素運動でもあるので心肺機能改善が図れます。心肺機能の改善が図れるということは血液の循環が改善され、ウーキングのようなリズミカルな運動により、交感神経も賦活され血管が拡張して高血圧の改善も期待されます。
2骨の促進(強化)
骨の促進、強化に必要なカルシウムは適度な運動刺激で吸収が促進されます。また太陽の光のもとではカルシウムの吸収を助けるビタミンDの生成が行われます。
3 脂質異常症、動脈硬化の予防
運動を行うことで脂肪の代謝・分解に必要な物質が活性化していきます。
4 糖尿病の改善
有酸素運動により筋肉が動くことでブドウ糖が取り込まれインスリンの効果が高まり血糖値が低下します。運動を続けることで血糖値が下がりやすくなります。これがよく言われるインスリン抵抗性の改善と言われます。
5 腰痛の改善・予防
腰痛の原因が慢性的な筋肉性のものであれば運動を行うことでバランスよく筋肉を働かせることができ、腰痛の軽減・予防効果も高まります。ただし、ぎっくり腰などの急性な疼痛が起こった直後は痛みが緩和するまで安静も必要です。
6 ストレスの解消(リラックス効果)
運動を行うことで脳内の伝達物質のひとつであるセロトニンが分泌されます。いわゆるストレスの解消効果です。ストレスは不安や興奮などで分泌される物質のバランス低下により引き起こされますが、この物質をコントロールするとされるセロトニンが多くなることで改善されます。
ウォーキングによる効果については上の図のようなものが挙げられます。
それではどの程度のウォーキングをすればいいのでしょうか?厚生労働省ホームページの「身体活動・運動」のページによると、一週間で30分以上の運動を2回以上して、1年以上継続している方が運動習慣のある方として定義されています。なかなかハードルが高いですね。
一方、歩数で考えてみましょう。厚生労働省ホームページを参照したところ、
<成人の方>
1日の平均歩数:約7000~8000歩
約10分で歩ける歩数:1000歩
歩幅:60㎝~70㎝
1000歩で歩行可能な距離:600~700m
目標:30分・3000歩
<高齢者の方>
1日の平均歩数:約5000~6000歩
約15分で歩ける歩数:1200歩
歩幅:50㎝程度
1200歩で歩行可能な距離:500m~600m程度
目標:30分・2500歩
また、災害などを考慮して避難場所への距離をウォーキングの目標にするのもおすすめです。実際の距離やかかる時間なども分かります。まさかの時に、頼りにしている方が怪我しているかもしれない、頼らず自分で歩かないといけない・・・と考えたとき、避難所までの歩行に慣れておけば不安が減るかもしれません。
また、パートナーや配偶者、子供等と歩くこともコミュニケーションの1つです。余談ですが、筆者も普段は会話が少ないですが、ウォーキングの時はよく話すようになりました(笑)
次に、ウォーキングの姿勢についてです。視線はまっすぐ前を向いて、腕を振りながら歩いてみてください。自然と背筋が伸びてくるように意識することも重要です。また、運動に適した靴を選ぶことも重要です。アスファルトの上は意外と膝などに負担がかかる場合があります。しっかりと足への意識を高めながら歩いてみてください。
歩くことに不安のある方は今までのリハビリテーション通信で紹介されている杖や、ウォーキングポール(ノルディックポール)などを参考にしてみてください。
変形性膝関節症や股関節症などの骨変性疾患の方、骨粗鬆症の方、心疾患、糖尿病などの基礎疾患のお持ちの方は、必ず医師の指導のもと運動を行いましょう。
最後に、ウォーキングは手軽にできる運動です。景色や音など、普段と違った刺激や発見があります。楽しみながら少しずつ行ってみてくださいね。
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