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リハビリテーション通信

サルコペニア|リハビリテーション通信

サルコペニア|リハビリテーション通信|江藤病院

リハビリテーション通信では、4回にわたって栄養や体力などと関係の深い「サルコペニア」と「フレイル」についてお伝えします。
第1回目は「サルコペニア」についてです。

サルコペニアとは

サルコペニアは、ギリシャ語で「筋肉」を表す “サルコ” と、「喪失」を表す “ぺニア” を組み合わせた造語です。加齢に伴って、骨格筋の萎縮・筋力の低下・身体機能の低下などの状態にあることをいいます。

サルコペニア(の状態)にあると、転倒・骨折・寝たきりや要介護状態などを起こしやすくなります。健康寿命を伸ばすために、十分な栄養の摂取や体力維持・筋力増加のための運動をして、サルコペニアを予防することが重要です。

サルコペニアチェック

サルコペニアの可能性についてセルフチェックする方法をご紹介します。

1⃣~3⃣のチェック項目について、算出したり、思い当たることがないか考えたりしてみましょう。

  1. BMI* (体格指数) が18.5未満である
    *BMI (体格指数) =体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m)
  2. 横断歩道を青信号で渡りきれないことがある
  3. ペットボトルやビンの蓋が開けにくい

1⃣に加え、2⃣、3⃣も当てはまる方は、筋肉量や筋力、身体機能が低下している可能性があり、注意が必要です。1⃣の代わりに「指輪っかテスト」でもOK!

  • 指輪っかテスト:自分の手指でふくらはぎの筋肉の太さをチェックするものです。

椅子に座り、両足を床につけます。前かがみになり、利き足でない方のふくらはぎの一番太いところを、両手の親指と人差し指で囲みます。利き足が分からなければ、両足でテストしてださい。
指輪っかテスト|サルコペニア
指輪っかテストでは、図のように、指輪っかに多くの隙間ができるようであれば、サルコペニアである可能性が高いという目安になります。

サルコペニアチェックで該当する項目が多い場合も自己判断せず、専門医に診てもらいましょう。

サルコペニアの治療法

①運動療法

筋肉量を増やし、筋力や身体能力を改善することを目的とした治療法です。主にレジスタンス運動と低強度の有酸素運動等を実施します。

レジスタンス運動

レジスタンス運動とは抵抗を加えた運動のことで、筋力トレーニングとして一般的にも知られています。高齢であってもコンスタントに筋力トレーニングを行うことで、筋力増強や身体能力の向上を期待できます。筋肉量の減少や筋力低下がみられる部位や程度、元々の身体能力は個人によって異なるため、個人の状態に合った筋力トレーニングを実施することが望ましいでしょう。

有酸素運動

毎日のウォーキングやサイクリング、水泳、ラジオ体操などの低強度(軽く息が弾む程度)の有酸素運動では、全身の筋肉を動かすことで骨格筋が収縮し、筋肉の成長を促すたんぱく質合成が誘導されます。

運動療法では、毎日の生活の中で散歩などの身体を動かす活動と筋力トレーニングを少しずつ実施し、習慣化して継続していくことが大切です。
当院リハビリテーション部では、ひとりひとりに合った運動療法のプランニングや指導を行っています。リハビリテーション実施時にご遠慮なくご相談ください。

②栄養療法

骨格筋量、筋力、身体機能は、たんぱく質の摂取量に深く関係しているため、たんぱく質の摂取はサルコペニア予防にも重要です。高齢者は、若年者に比べてたんぱく質合成によって筋肉を成長させる働きが弱いため、骨格筋でのたんぱく質合成を維持するためには毎食、良質なたんぱく質を25~30g摂取する必要があります。

たんぱく質の摂取とともに身体活動・運動を行うためのエネルギーや、骨代謝や抗酸化作用を促すビタミン・ミネラルを摂取することも大切です。十分なたんぱく質とエネルギーの摂取を行い、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
当院栄養部では、栄養や食事に関するアドバイスを積極的に行っています。興味のある方は外来診察受付時に、お気軽にお声がけください。

③薬物療法

筋肉(骨格筋)でのたんぱく質合成を促すには、必須アミノ酸のロイシンを補給すると効果的であるとされています。サプリメントなどによっても補給することができます。

また、加齢によって機能が低下するホルモンの補充療法の研究では、精巣から分泌される男性ホルモンのテストステロンや成長ホルモンの投与によって骨格筋量の増加が認められたという報告もあります。

次回

次回のリハビリテーション通信では「サルコペニアの予防法」についてご紹介します。ぜひご覧ください!

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