みなさんこんにちは！
今回は、厚生労働省が発信している【労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト（2023年改正版）】について紹介します。
このチェックリストは、労働者の疲労蓄積を自覚症状と勤務の状況からセルフチェックするものです。ここでは紹介しませんが、家族による労働者の疲労蓄積度チェックリストもありますので、気になる方は検索してみてください。
はじめに、疲労と蓄積疲労についての説明を提示します。
疲労とは：
休む必要性を強く感じ、活動を開始したり維持したりするのが困難になるほどエネルギーが不足した状態のことです。
蓄積疲労とは：
1日の疲労が食事や睡眠・休養によって十分に回復しない状態が続き、慢性的な全身の倦怠感や注意力、集中力などの低下をきたした状態のことです。重度になると心身の健康を阻害する恐れがあります。
以下に【労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト（2023年改正版）】を提示します。
１．最近1カ月間の自覚症状について
各質問に対し、最も当てはまる項目の☐に✓をつけて下さい。
| 【1】 イライラする | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
|---|---|---|---|
| 【2】 不安だ | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【3】 落ち着かない | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【4】 ゆううつだ | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【5】 よく眠れない | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【6】 体の調子が悪い | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【7】 物事に集中できない | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【8】 することに間違いが多い | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【9】 仕事中、強い眠気に襲われる | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【10】 やる気が出ない | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【11】 へとへとだ（運動後を除く） | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【12】 朝、起きた時、ぐったりとした疲れを感じる | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【13】 以前とくらべて、疲れやすい | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
| 【14】 食欲がないと感じる | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある(1) | □ よくある(3) |
〈自覚症状の評価〉
各々の答えの（ ）内の数字を全て加算し、次の表のⅠ～Ⅳのどれに該当するか求めて下さい。
| Ⅰ：0～2点 | Ⅱ：3～7点 | Ⅲ：8～14点 | Ⅳ：15点以上 |
２．最近1カ月間の勤務の状況について
各質問に対し、最も当てはまる項目の☐に✓をつけて下さい。
| 【1】 1カ月の労働時間 （時間外・休日労働時間を含む） |
□ 適当(0) | □ 多い(1) | □ 非常に多い(3) |
|---|---|---|---|
| 【2】 不規則な勤務 （予定の変更、突然の仕事） |
□ 少ない（0） | □ 多い(1） | － |
| 【3】 出張に伴う負担 （頻度・拘束時間・時差など） |
□ ない又は小さい(1) | □ 大きい（1） | － |
| 【4】 深夜勤務に伴う負担 | □ ない又は小さい(1) | □ 大きい（1） | □ 非常に大きい(3) |
| 【5】 休憩・仮眠の時間数及び施設 | □ 適切である(1） | □ 不適切である(1) | － |
| 【6】 仕事についての身体的負担 | □ 小さい(0) | □ 大きい(1) | □ 非常に大きい(3) |
| 【7】 仕事についての精神的負担 | □ 小さい(0) | □ 大きい(1) | □ 非常に大きい(3) |
| 【8】 職場・顧客等の人間関係による負担 | □ 小さい(0) | □ 大きい(1) | □ 非常に大きい(3) |
| 【9】 時間内に処理しきれない仕事 | □ 少ない(0) | □ 多い(1） | □ 非常に多い(3) |
| 【10】 自分のペースでできない仕事 | □ 少ない(0) | □ 多い(1） | □ 非常に多い(3) |
| 【11】 勤務時間外でも仕事のことが気にかかって仕方ない | □ ほとんどない(0) | □ 時々ある（1） | □ よくある（3） |
| 【12】 勤務日の睡眠時間 | □ 十分(0) | □ やや足りない(1） | □ よくある（3） |
| 【13】 終業時刻から次の始業時刻の間にある休息時間 | □ 十分(0) | □ やや足りない(1） | □ 足りない（3） |
〈勤務状況の評価〉
各々の答えの（ ）内の数字を全て加算し、次の表のＡ～Ｄのどれに該当するか求めて下さい。
| A：0点 | B：1～5点 | C：6～11点 | D：12点以上 |
３．総合判定
次の表を用い、自覚症状、勤務の状況の評価から、あなたの疲労蓄積の点数（0～7）を求めて下さい。
【疲労蓄積度点数表】
| 勤務の状況 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| A | B | C | D | ||
| 自 覚 症 状 |
I | 0 | 0 | 2 | 4 |
| II | 0 | 1 | 3 | 5 | |
| III | 0 | 2 | 4 | 6 | |
| IV | 1 | 3 | 5 | 7 | |
あなたの疲労蓄積度の点数 点（0～7）
| 判定 | 点数 | 疲労状態 |
|---|---|---|
| 0～1 | 低いと考えられる | |
| 2～3 | やや高いと考えられる | |
| 4～5 | 高いと考えられる | |
| 6～7 | 非常に高いと考えられる |
疲労蓄積度はいかがでしたか？
疲労蓄積度の点数が2～7の人は疲労が蓄積されている可能性があり、最近1カ月間の勤務の状況について掲載されている“勤務の状況”の項目の改善が必要です。
個人の裁量で改善可能な項目については、自分でそれらの項目の改善を行うことが推奨されています。
個人の裁量で改善不可能な項目については、勤務状況を改善してもらうよう上司や産業医師に相談することが推奨されています。
仕事以外のライフスタイルにも原因があって自覚症状が多い場合もあります。睡眠や休養を見直すことも大切なことです。疲労を蓄積させないためには負担を減らし、睡眠・休養をしっかりと取ることも大切です。
休日の余暇時間に軽いウォーキングなどの運動を始めてみるのも気分転換や生活習慣の改善につながるのでおすすめです。また、寝る前のスマートフォンの見過ぎは睡眠の質を阻害するので、控えることをお勧めします。
執筆者：理学療法士 川井 涼平現在、江藤病院の併設施設である介護老人保健施設 明和苑でリハビリテーションをさせていただいております。入所者様に対し、より良いリハビリテーションを提供できるよう、努力いたします。
最近は睡眠の質をよくするために、スマートフォンを寝室から離れたところに置いて寝るようにしています。
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