「塩分を控えた食事を心掛けるようにしてください」
突然ですがみなさん、病院を受診した時に塩分制限を医師から提案されたことはあるでしょうか?
今回のリハビリテーション通信では心臓病と塩分制限、あと運動についてお伝えしていきたいと思います。(塩分制限が必要な病気は他にもありますが、今回は心臓病に焦点を当ててお伝えします)
はじめに
日本は2007年に「超高齢社会」に突入しました。65歳以上の人口が全人口に対して21%を超えると超高齢社会と呼ばれるようです。
そして、社会の高齢化に伴い高齢者の心臓病も増加しています。平均寿命が延びるということはそれだけ社会全体で心臓病などの病気に罹患する確率も高くなるということでもあります。みなさん、息切れや動悸、疲れやすいなどの症状があっても、受診せずそのままにしていませんか?
心臓病について
病院で勤務していましても「心臓病」という単語はあまり使われません。というのも心臓病とは、心臓の構造や機能に異常が生じる病気の総称だからです。心不全や不整脈、心臓弁膜症、心筋症などがあり、診断名としてはさらに細分化されます。
心臓の機能はみなさんご存知のとおり、「全身に血液を送り出すポンプの役割」を担っています。つまり、心臓病は全身に血液を送り出すことができていない状態ということになります。
塩分制限について
ここで本文冒頭の「塩分を控えた食事を心掛けるようにしてください」と心臓病を理由として提案された場合の説明をしていきたいと思います。
なぜ塩分を摂りすぎると心臓に悪いのでしょうか?
- 塩分の成分であるナトリウムが水を体にため込む性質のため、血液量が増加する
- 血液量が増加すると、血管が押し広げられて、血圧が上昇する
- 高血圧が続くと動脈硬化を引き起こし、心臓への負担が増加する
動脈硬化を引き起こすとなぜ心臓への負担が増加するかというと、心臓にもたくさんの血管があります。十分に血液が流れないと酸素不足になり心臓の筋肉も弱ってしまい、心臓のポンプ機能が低下してしまいます。そこで心臓はより高い圧をかけて全身に血液を送らないといけなくなりますので、心臓への負担が増加する、という流れです。
※動脈硬化が進行する要因として、まずは「加齢」です。年齢はみなさん平等に増えていきます。その他の要因として「喫煙」「高血糖」「脂質異常症」「運動不足」などが挙げられます。
以上のことから、心臓への負担を少しでも減らすために、まずは塩分を控える必要があるということですね。
ここまで簡単にではありますが、心臓病と塩分制限にお伝えさせていただきました。
おわりに
私は理学療法士で、運動療法を推奨する立場でもありますので、ここからは運動の有効性についてもお伝えしていきたいと思います。
運動は心臓病の改善に有効? ➡正解です。
運動は動脈硬化の改善に有効? ➡正解です。
運動は健康を維持するために有効?➡正解です。
運動が心臓機能や健康に寄与するメカニズムは未だ不明な点もあるとされていますが、運動が身体機能の維持や改善に必要であるということは周知の事実であると思います。運動に関する様々な文献では「運動の種類や継続時間、頻度、強度など」細かな設定で有効性の証明がされてきています。
過度な筋力トレーニング、となるとマイナスに働く可能性もありますが、運動は基本的に身体に「良い影響」を与えてくれるものなので、積極的に運動しましょう!
超高齢社会である日本で、いつまでも元気にお子さんや孫さん、ひ孫さんと楽しく過ごしましょう!
今回の執筆者:理学療法士 犬伏 康徳
リハビリテーション通信の執筆も今回で4回目となります。
度々異動もあり、現在は通所リハビリテーション(通称デイケア)で勤務しています。全ての利用者様が楽しく運動を継続できるように日々奮闘しています。デイケアって何?と興味がある方はお気軽にお声掛けください(今年も無事に徳島マラソン完走できました!)。
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