リニューアルのご挨拶
2021年3月に連載がスタートしたこの「リハビリテーション通信」。
これまで約1年半のあいだ皆様に親しまれてまいりました。
今回の掲載分より、
皆さんの生活が、よりよいものになりますように!
リハビリテーション部
こんにちは!リハビリテーション部 理学療法士の犬伏です。
インソール?中敷き?足底板?
厳密には別物とされていますが、同じ物と認識していただいて大丈夫だと思います。「インソールとか足底板というのは靴の中敷きのことです」と説明を受けた方も多いのではないしょうか?
まずは足の機能から
地面に直接接触する部分である足部の重要性は広く周知されていることと思います。
足の骨は片方で28個あります。両方合わせると56個で、全身の骨が206個ありますので全体の約27%は足部だけにあり、多数の筋肉や靱帯も存在しているため、それだけ足部は繊細な動きが要求されるということになります。
ちなみに、東洋医学では足裏のツボは約60~70(2008年にWHOで認定されたツボは全部で361)あり、全体の約20%が足部に存在しているようです。
足の機能に話を戻しますと、「土踏まず」は正確には3つのアーチで構成されています。
- 内側縦アーチ
- 外側縦アーチ
- 横アーチ
皆さんイメージされている通り、クッションのような役割を担っており、アーチがなくなり平坦化すると、足裏からの衝撃が軽減されることなく体に影響を与えます。
足関節や膝関節、その上の股関節や骨盤帯などのどこかで衝撃を吸収するために負荷がかかりますので、痛みや変形の原因となることが多いと考えられます。
インソールの効果
足の機能の重要性はご理解いただけたと思いますので、今回の本題であるインソールの効果について解説していきます。
インソールの有用性に関する報告は多数あり、様々な症状に効果が見込めます。
- 歩いている時に足や膝、股関節が痛い
- 外反母趾や扁平足など、足部の変形がある
- タコや魚の目、靴擦れなどの皮膚トラブルがある
- 変形性膝関節症や変形性股関節症など脚に変形がある
- (靴を替えたら)疲れやすくなった、足取りが重い
- 靴の中で足が滑る、ぐらぐらする、不安定
などの症状に効果が見込めます。
足の機能をサポートすることで体のバランスを調整することができます。
当院でも多くの方が悩まれている変形性膝関節症に対しては、国内外の論文や日本整形外科学会でもインソール療法が強く推奨されています。
オーダーメイドインソール
当院では外部業者(国家資格である義肢装具士)と連携してオーダーメイドでインソールを作成しています。
足の大きさや脚の長さに関しては基本的に左右差があるものです。「合わなかったらどうしよう」という不安がなくなることもオススメしたいポイントです。
※注意点
靴は普段履いているものを利用することができたら良いのですが、中敷きが外れないタイプの靴であれば調整が難しい場合もあります。
費用は?
保険適応可能
1割負担の場合:約3,000円程度
3割負担の場合:約9,000円程度
(一度料金を立替払いして、後日返金されます)
作成後のフォローアップ
ここがとても重要で、インソールなどを作成すると何年もずっと使い続けてしまう方もいらっしゃいます。「せっかく作ってもらったから」とおっしゃる方もいて、とてもありがたいと感じるのですが、これは間違いです。足や体の状態もインソールの状態も変化(経年劣化含め)していくものです。状態に変化があれば、それに合わせてインソールも調整が必要となるかもしれませんし、使用する必要がなくなるかもしれません。
「最近また痛くなってきた」「使っていたらインソールが傷んできた」「インソールを外しても痛くない」など、ちょっとした変化があれば、再度動きの評価をした上で検討する必要があります。
インソールやその他の装具、サポーターについて、不明な点がありましたらお気軽にお声掛けくださいね。
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今回の執筆者:理学療法士 犬伏 康徳(いぬぶし やすのり)徳島県北・板野町出身。県南・小松島市の当院に就職してから徐々に言葉の壁を克服し、もうネイティブといっていい状態ではないかと自負しています。ヤネは肩のことです。趣味は、コロナ禍になったことで料理に目覚め、電気圧力鍋の可能性を模索している今日この頃です。江藤病院では外来リハビリテーションを担当しています。皆さんと一緒に、無理なく楽しく身体の状態を改善していくことをモットーに取り組んでいます。
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