皆さん、日常生活で「膝が痛い!」と感じることはありませんか?
膝の痛みとは、どのような原因でどのような症状が起こるのでしょうか?
今月は、「膝の痛み」についてお伝えします。
セルフチェックをしてみましょう!
早速ですが、ご自身の膝の状態について以下のセルフチェックをしてみてください。
- 歩き初めに痛む
- 正座がしづらい
- 膝に水が溜まる
- 足が伸ばしにくい
- O脚またはX脚だ
- 股関節が痛い
- 靴下が履きにくい
いかがでしょうか?
1つでもチェックがついた方は注意が必要です。
同じような悩みを持つ中高年の方は、もしかすると変形性膝関節症(変形性膝関節症の関連記事はこちら)の初期症状かもしれません。
主な症状や原因、予防対策、治療方法について紹介させていただきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
変形性膝関節症ってどんな病気?
40歳以上で膝の痛みでお悩みの方は、全国で推定800万人いるといわれています。
その大部分は、「変形性膝関節症」によるものです。
変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨が、加齢や筋肉量の低下などによりすり減って、痛みが生じる病気です。膝関節の骨と骨の隙間が狭くなって内側の骨があらわになり、骨の縁にトゲのような突起物ができたり、骨が変形します。進行すると関節を覆っている関節包と呼ばれる繊維膜の内側に炎症が起こり、黄色味がかった粘り気のある液体が分泌され、膝が腫れて水が溜まった状態になります。
原因
変形性膝関節症の発症や進行には、さまざまな要因が関係しているとされています。
- 加齢
- 肥満
- 筋力の衰え
- 膝の負担が大きい仕事や家事
- O脚など脚の変形
- 女性
- 遺伝
もっとも「加齢」は、変形性膝関節症の最大の危険因子です。
変形性膝関節症を発症する人の割合は、40歳代以降で年代が上がるにつれて増加します。
また、各年代で女性の方が男性に比べて多く発症することがわかっています。
症状
変形性膝関節症では、初期ー中期ー後期にかけて次のような特徴のある症状が現れます。
① 初期
軟骨が擦り減り関節の隙間が狭くなっていく。動作の始めに膝が痛くなる。
(例)
「歩き初めに痛い」 ・・・・・・・・・ 特に膝の内側
「階段の昇り降りで痛い」 ・・・・・・ 特に降段
「長い距離を歩いたあとに痛い」 ・・・ しばらく休むと痛みが消える
② 中期
さらに軟骨が擦り減る。関節の縁から骨の棘が出てきて刺激する。
A.
運動が制限され、今まで難なく行えていた動作が、膝の動きの制限によって困難になる。
(例)階段昇降、正座、しゃがみ込み、あぐら、走る、長時間の立ち仕事など
B.
膝が腫れ、熱を持ち、動かそうとすると膝に張りを感じたり、関節の中に水か溜まる
③ 後期
軟骨が無くなる、骨が直接ぶつかり痛みが激しくなる、膝が変形する。
一度擦り減ってしまった軟骨は元に戻ることはありません。つまり、病気の進行を食い止めるためには、できるだけ早い状態で気がついて治療を開始することが大切です。
リハビリスタッフからのメッセージ
ご覧いただいたように、膝の痛みは段階を経て悪化していきます。膝に生じているこわばりや違和感、痛みは、もしかすると変形性膝関節症の症状かもしれません。お心当たりのある方は、一度医療機関の診察を受けてみてはいかがでしょうか。予防対策や治療方法については、次回のリハビリテーション通信で紹介します。ぜひご覧ください!
リハビリテーション部
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