こんにちは。
普段皆さんは、杖をお使いですか?
使用されている方は、どのような杖をお使いでしょうか?
また、使用されている杖の使い勝手はいかがですか?
今回は、杖を使用されている方、杖の使用を検討されている方、また杖を使用されていない方にも役立つ情報をお伝えします。
はじめに
杖の役割は大きく3つあります。
◇歩行が安定しやすくなる
杖をつくことで体を支える面積が広くなり、ふらつきが抑えられ、歩行が安定しやすくなります。
◇足腰の負担が軽くなる
杖に体重を掛けられることで荷重が分散され、足腰の関節への負担や痛みが軽くなります。
◇安心感が得られる
「外は中と違って平らなところばっかりでないけん、ふらついてこけんか心配。」や、
「痛みが強くなってくるけん、長く歩くんは、しっかり歩けよらんと思う。」と、
歩行能力が維持されていても、環境や状況により歩行に対して不安感を抱かれる方もいます。
いざという時でも失敗を前もって用心しておくという「転ばぬ先の杖」ということわざがあるように、
杖により歩行しやすくなることで、歩行に対する安心感が得られます。
またその安心感が歩行に対する自信となり、外出や社会活動に参加する意欲が高まる効果にも繋がります。
しかしながら、
病状や高齢に伴う身体状況は人それぞれで、杖にもさまざまなタイプがあり、
「杖って言うても色々あるけん、どれ使ったらいいかわからん。」と感じたり、
身体状況の悪化により使用している杖に不安感を抱かれる方もおられ、
「この杖って、今の私に合っとるん?私は、どんな杖を使ったほうがいいん?」と、
入院中に限らず自宅で生活されている方からも、そのようなご相談を受けることがあります。
当院にも、リハビリテーションにおける歩行訓練用として、さまざまなタイプの杖を取り揃えています。
今回は、それぞれの杖の特徴をご紹介しますので、杖選びの参考になれば幸いです。
➀単脚杖
杖先が1脚の杖です。グリップの形状によりT字型・L字型・オフセット型のタイプのもの、また折り畳み式や伸縮式のもの等、グリップの握りやすさや使用用途により選べる種類が豊富です。
使用例:自力で歩行できるけど屋外の歩行時にふらつくことがある等、歩行能力が比較的高く維持されているが、環境・状況により歩行へ不安感がある方。
②多脚杖
杖先が3~4脚に分かれている杖です。全ての脚が接地しないと不安定で、且つ、重い一面があるものの、単脚杖よりも体を支える面積が広いため、安定性が高く得られます。
使用例:脳卒中による軽度の麻痺に加え筋力の低下を有する等、単脚杖では歩行に不安感がある方。
③ロフストランド杖
腕を通すカフの付いた杖です。グリップに加えカフでも体重を支えられるため、握力・腕力が弱い方でも安定しやすいです。
使用例:リウマチで握力が弱く手首にも負担を掛けられない等、しっかりグリップを握れない方。
④松葉杖
脇当ての付いた杖です。グリップに加え脇当てでも体重を支えられるため、他の杖に比べて足腰への負担を大幅に軽減することができます。
使用例:骨折後で足に体重を掛けてはいけない等、脇から体を支える必要がある方。
⑤サイドケイン
片手で使用する歩行器型の杖です。多脚杖同様、全ての脚が接地しないと不安定で、かつ、重みがあるため長距離の移動には不向きな一面があります。スペースが必要となるものの、多脚杖よりも体を支える面積が広く安定性が高く得られます。
使用例:脳卒中による中等度~重度の麻痺を有する等、杖にしっかり体重をかける必要がある方。
⑥トレッキングポール
真っすぐな形をした杖です。主に2本セットで使用するため、背筋が伸びて、バランスもとりやすいです。
使用例:主にウォーキング等を使用目的としている、歩行能力が高く維持されている方。
いかがでしたでしょうか?
それぞれの杖の特徴をご紹介しましたが、より安全に使用していただくための杖の長さの調整や、歩行能力に合う杖を突くタイミング等は人それぞれです。使用用途や使用する環境を考慮して杖を選ぶ必要がある場合もあります。また、大型スーパーやホームセンター等でも気軽に購入できますし、福祉用具の1つであるため介護保険サービスでレンタルできる物もあります。
杖選びや杖選び後のご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。
今は当院通所リハビリテーション(デイケア)で働いています。インスタグラムで当院デイケアの楽しい雰囲気や活動も知っていただけると幸いです。
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