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あなたの骨は元気ですか?|骨粗しょう症の原因と種類|骨粗しょう症予防|リハビリテーション部

はじめに

 こんにちは。今回は食の生活習慣も大いに影響する「骨粗しょう症」についてお話したいと思います。ある程度の年齢を過ぎると、医師から「骨粗しょう症に気をつけてください」と言われる人が増えてきます。骨粗しょう症という名前を知らない人は少ないと思いますが、どのような危険があるのかご存知でしょうか。骨粗しょう症の症状やリスク、予防法について解説していきます。

 

骨粗しょう症とは?骨が弱い状態って︖

 骨粗しょう症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいると言われており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。

 そもそも骨の弱い状態とは、骨の密度が低く、すかすかな状態のことです。骨は体内で、絶えず作られ・壊され(吸収され)・再形成されています。加齢や閉経、病気などで、骨が再形成されるバランスが崩れると、骨折しやすい状態に陥ります。この状態を骨粗しょう症と呼びます。特に女性が骨折しやすいと言われるのは、この閉経が関係します。閉経により骨のカルシウム量が減少するためです。

 

骨粗しょう症の症状について

 骨粗しょう症になっても、痛みはないのが普通です。

しかし、転倒などがきっかけで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。 

丈夫な骨が維持できていないと、軽い転倒から骨折し思わぬ大けがに繋がる可能性もあります。特に高齢者(80歳以上の男性、65歳以上の女性)は、足のつけ根の大腿骨頚部骨折を起こすと、そのまま要介護状態になるリスクが高くなります。さらに死亡のリスクが高まることも指摘されており、大腿骨頚部骨折後、約20%、つまり5人に1人は1年以内に死亡しているという報告もあります。

 また、子育てで忙しくしている母親世代(30~40代の女性)はつい自分の健康をおろそかにしがちなところがありますが、女性の骨粗しょう症の発生率は男性の約3倍。特に閉経後は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により骨の代謝バランスが崩れ、骨粗しょう症リスクが急激に高まるため注意が必要です。お子さんだけでなく自身の骨づくりについても、今のうちから関心を持ってほしいと思います。そして、高校生以上の学生さんは学校給食がなくなるため、カルシウムの摂取量が急に減ってしまう傾向があります。ご家庭の献立も、カルシウムを意識したものに見直してみるのも良いでしょう。

 

骨粗しょう症の種類と原因

  • 原発性骨粗しょう症

 加齢や生活習慣の乱れ、閉経などが原因で起こる骨粗しょう症です。高齢になると骨を形成するスピードが落ちるため、骨密度が低下して骨粗しょう症を発症しやすくなります。また、生活習慣の乱れも発症の原因になります。食事のバランスが悪いと骨を形成するために必要なカルシウムやビタミンD、ビタミンKなどが十分に摂れなくなります。さらに運動不足によって骨への刺激や負担が少なくなると、骨量が落ちてしまいます。特に女性の場合は閉経によって女性ホルモンのエストロゲンが減少することで骨粗しょう症を発症しやすくなります。

  • 続発性骨粗しょう症

 骨を弱くする原因となる疾患や、薬などによって引き起こされる骨粗しょう症です。副甲状腺機能亢進症やバセドウ病、性腺機能低下症などの内分泌系の疾患のほか、運動器や内臓疾患、糖尿病などの生活習慣病が主な原因となります。これらの疾患が原因の場合は、治療と同時に骨粗しょう症の予防や対策を進める必要があります。また、ステロイドの長期服用は骨の形成を促すホルモンの分泌を減少させ、これが原因で骨粗しょう症を発症することもあります。

  • 特発性骨粗しょう症

 原発性や続発性のように加齢や疾患などが原因ではなく、突発的に起こって急激に進行する骨粗しょう症です。「妊娠後骨粗しょう症」が代表的なものです。これは妊娠や授乳に伴う一時的な骨粗しょう症ですが、産前産後の長引く腰痛が、実は骨がもろくなったことが原因の腰椎圧迫骨折だということも少なくありません。妊娠中や授乳中は胎児へカルシウムを供給するため、おのずと母体のカルシウムは減少します。

【ひとつでも当てはまる人は骨粗しょう症の恐れありです!】

□ 姿勢が悪いと言われる   

□ よくイライラする   

□ 食事に好き嫌いが多い   

□ 閉経を迎えた   

□ よく眠れない     

□ こむらがえりになりやすい    

 

骨粗しょう症を予防するには

 骨粗しょう症は予防が大切な病気です。以下のことに注意して、日々の生活を送りましょう。

  • カルシウムを十分にとる。

 強い骨をつくるためにはカルシウムが欠かせません。正しく摂ることが大切です。毎日摂取が鉄則のカルシウムは、過剰に摂取すると尿と一緒に排出されます。摂取量の目安は1日650mgとされますが、骨粗しょう症予防のためには800mgを目安にしましょう。

  • ビタミンDも一緒に補給。

 カルシウムの吸収を高めるには、ビタミンDを一緒に摂ることが大切です。

また体内にとどめる成分として大豆イソフラボンなども積極的に摂ると良いでしょう。

  • 適量のたんぱく質をとる。

  • 禁煙し、アルコールは控えめにする。

 

  • 軽い運動、日光浴をする。

 日光に当たると、体内でカルシウムの吸収を良くするビタミンDが合成されるので、日光浴を心がけましょう。また運動などで骨に負荷を与えると、骨密度は上がるといわれています。

  • 塩分の摂り過ぎに注意!

 塩分の摂り過ぎは高血圧を招くだけでなく、カルシウムと結合して排出を促すので要注意です。また、牛乳ばかり飲んでいると脂肪過多になる恐れもあります。さまざまな食品からバランスよくカルシウムを摂ることが大切です。

※カルシウムは1食200㎎以上摂るのが目安!!

【カルシウムが摂れる食材】

骨粗しょう症の治療

 食事療法や運動療法、薬物療法による治療を行います。骨折が生じた場合はそれに応じた治療が必要です。また、閉経後の女性は整形外科医師の定期的な検診をおすすめします。

薬物療法

  様々な薬が開発され、年齢、性、骨折の有無、痛みの程度などにより薬を選択できるようになりました。骨吸収を抑える薬、骨吸収と形成のバランスを整える薬、骨形成を促す薬などがあります。

 

  • どうすれば骨は作られ強くなるの

 それではここで1番重要なことを書きます。ここだけ覚えて頂けたらと思います。 「骨の長軸に対しての垂直方向の刺激は骨の形成を促す」です。 難しいです。よくわかりませんので 、これをもっと簡単にします。 「骨にドスンと刺激を与えれば、骨は作られ強くなる」です。

  • 実際にどんな運動をすればいいの

 それでは骨に刺激を与える運動を3つ紹介します。

1.かかとストン運動

 転ばないように何かにつかまりながら、かかとを持ち上げ、かかとをストン!!と床に降ろします。

  

※かかとを上げたら、かかとをストンを下ろします。この動作を繰り返し行います。

2.椅子に座ってかかとストン運動

 骨への刺激は弱くなりますが、立ってできない場合は、椅子に座りながらするのも良いでしょう。

回数は1セット10 回× 3 セット、目標 1 日 3 回 の体操を行い、膝など痛いところがある場合は行わないで下さい。

  

  

3.手と手を合わせて合掌運動

 手と手を合わせて合掌のポーズをして、両手で 2 秒押し合いっこします。それを繰り返します。回数は2 秒間の押し合いを 7 回を1セットとし、1回 3 セット、  1 日 3 回を目標としましょう。

  

まとめ

 日本は世界でもトップクラスの長寿国です。健康でイキイキとした人生を送りたいと誰しも願うものですが、実際には多くの人が長い間「健康ではない」状態で過ごしているのです。骨は私たちの体や日常の活動を支える大切な器官です。骨粗しょう症を予防し、骨を健康に保つことは、健康寿命を延ばすことにも繋がるのです。まずは、骨に刺激を与えて強い骨を作り、次に筋力アップをはかり、転倒しにくい身体になるようにしていきましょう。

 

今回の執筆者:作業療法士 井出(いで) わかな 徳島市出身

作業療法士として江藤病院に就職して10年目となります。現在は、通所リハビリテーション部門で勤務しています。以前勤務していた病棟でのリハビリテーションとはまた違った介護保険分野であり、より在宅に近い形でのリハビリテーションを提供していけるよう頑張っています。

 

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