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看護の初歩とも言える「看護の環境整備」とは?|江藤病院 副院長 大和 孝子

 看護における環境整備とは、居心地の良い入院生活を提供するために、病室やベッド周りの環境を、安全で快適なものに整えることです。環境整備は重要な看護の業務で、患者さんが安全に気持ちよく療養生活を送ることができて、治療に前向きになれるようにするために行います。

 「環境整備」という言葉は、看護業界だけでなく、どのような業界・業種などでも見られるものです。3S(整理・整頓・清潔)を基本として、安心・安全・安楽のための環境を作ることを意味しています。看護業界との徹底的な違いは、対象が医療施設・患者であることです。そして、病室は患者さんの治療の場であるとともに生活の場であり、患者さんの療養生活の環境を整えることは看護師の責務です。

 さらに、看護の環境整備の目的は、
① 入院患者にベッドからの転落などが生じないよう安全な環境を整える。
② 院内感染などが生じないよう衛生的な環境を保持する。
③ ストレスを感じず、心地よく入院生活を送れる環境を促進する。
④ 環境整備を通じて患者さんとのコミュニケーションを良好にし、看護の為の情報を得る。
と言われています。

 誰もが知っている近代看護の母と言われているフローレンスナイチンゲールは、環境整備を看護の基本と考え「環境整備は看護師の仕事」と言ってきました。そして、「看護とは、新鮮な空気と陽光、暖かさと清潔さ、静けさを適切に保つことである」とも述べています。
さらに、ナイチンゲールは、「新鮮な空気や陽光、暖かさ、清潔さ、食事の規則正しさなど、人が人として当たり前に求めるものを、闘病している入院患者さんも同等以上に必要である。」と、説いています。

 看護師にとって環境整備は最も大切な看護ケアと言っても過言ではありません。
環境整備の質=看護の質と言えるほど、環境整備は大切なケアであるため、毎日のルーティン業務だからといって疎かにしてはいけないと思います。

 看護師1人1人が高い意識を持って、細かいところにも配慮しながら徹底した環境整備を行うことですべての患者さんが「安心・安全・安楽」な療養生活を送ることができます。看護師として看護の初歩である看護の環境整備をしっかり把握して、どうすれば患者さんにとって快適かつ安心・安楽な環境になるかを考えて、その人の生きる・生きたい力を支える看護ケアに取り組みたいと思います。

江藤病院 副院長 大和 孝子

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