夏の暑さも和らぎ、行楽日和となった今日この頃。
今年はコロナウイルス感染症も5類へと移行し、数年ぶりにお出かけをする機会も増えたのではないでしょうか。
徳島で生活するのに欠かせないのが自動車。どこに行くにも車が必要ですよね。
そんなとき、乗り降りに苦労した経験はありませんか?
脳卒中による片麻痺、骨折や加齢による筋力低下、その他の障害によって身体が動かしにくいと、自動車への乗り降りがしづらく感じてしまいます。
そこで今回は、自動車の乗り降りの介助方法をご紹介いたします。
歩行が可能な方
基本的には、麻痺やけがをしていない方から(左片麻痺の方は、左側座席から)乗ります。
1. 車の座席に座り、しっかりお尻を乗せます。
2 .向きを変えながら麻痺やけがのない方から足を入れます。
3 .麻痺のある方の足を入れ、姿勢を整えます。
4 .降りるときはその反対から行います。
☆介助のポイント☆
麻痺のある方から腋を抱えておくと、万が一バランスを崩してしまっても支えやすいです。
車いすを使用されている方
・乗るとき
基本的には、麻痺やけがをしていない方から(左片麻痺の方は、左側座席から)乗ります。
1. 車のドアを開き、車いすを約30度の角度で車につけます。
(車と車いすの間に介助者が入れるスペースを確保する。)
2 .ブレーキをして、フットレストを上げ、立ち上がりやすいよう車いすに浅く座ってもらいます。
3 .介助者は前方から両方の腋の下に手を入れ、身体を支えながら立ち上がります。
4 .完全に立ち上がったら身体を支えたまま、お尻を車の座面の方に方向転換しゆっくりと座ります。
5 .浅く座っている場合は、しっかりと座り直しをします。
6 .身体を支えながら麻痺やけがのない方から足を入れます。
7 .麻痺のある方の足を入れ、姿勢を整えます。
・降りるとき
1 .車のドアを開き、車いすを約30度の角度で車につけます。
(車と車いすの間に介助者が入れるスペースを確保する。)
2 .車いすのブレーキをして、フットレストを上げて準備をします。
3 .本人はドアの方に身体を向け、両足を下ろし浅く座ってもらいます。
4 .介助者は前方から両方の腋の下に手を入れ、身体を支えながら立ち上がります。
5 .完全に立ち上がったら身体を支えたまま、お尻を車いすの方に方向転換しゆっくりと座ります。
6 .車いすに深く腰かけ姿勢を整えます。
☆介助のポイント☆
立ち上がって方向転換をするときに、お尻が座る方にしっかりと向きを変えられていると座り直しがスムーズです。
介助量が多い場合は、移るほうに近い足を半歩前に出して立ち上がると、方向転換が行いやすいです。
踏み台や手すりを使用することで、より車への乗り降りが行いやすくなります。
また最近では、助手席が回転したり、シートが外にせり出すタイプ等、車の乗り降りがしやすいような機能や、車椅子のまま乗り込める機能が搭載されている福祉車両もあります。
最後に
外出や旅行をすることは、ご高齢の方に限らずストレス解消や気分転換になり、生き生きと過ごす意欲につながります。
また外出が定着することで自然と体力がつき、心身の健康の維持・向上、生活の質の向上につながります。
ぜひ気候の良いこの季節にお出かけしてみてください。
執筆者:作業療法士 林 紗知(はやし さち)
男の子2人の母であり、毎日息子達に振り回されつつ育児を楽しんでいます。
江藤病院通所リハビリテーション配属となり1年半が経ちました。楽しく運動を行いながら、心身機能や生活の質を高め、その人らしい生活が送れるようサポートしていきます。
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