私が所属している通所リハビリテーション(デイケア)では、自らがすすんで体を動かす活動をたくさん行っています。
今回は「高齢者の運動」をテーマとしてお話しさせて頂きます。
65歳以上の身体活動(生活活動・運動)の基準は、横になったままや座ったまま以外で身体活動を毎日40分行うこととされています。また骨・筋肉・関節(運動器)の障害やサルコペニア(加齢に伴う筋量や筋力の減少)によって寝たきり等に至るリスクなども予防すると言われています。
(厚生労働省の身体活動基準2013より)
当施設でもそういった方がより長く自立した生活を送るために、理学療法士や作業療法士が体操やレクリエーション活動を行い、身体活動の維持・向上を目指しています。
もちろん自らがすすんで楽しく体を動かすことを優先して、いつもスタッフで検討し新しい活動を取り入れています。
ところで、皆さんは健康寿命という言葉をご存じでしょうか?
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をいいます。
ちなみに2022(令和4)年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳となっており、この平均寿命から健康寿命を差し引いた期間は、男性約9年、女性約12年とされており、そのあいだは介護が必要となる日常生活を過ごすこととなります。
もちろん人に頼らず、自分で思うことができる生活の方が幸せと感じるのではないでしょうか?
今後も平均寿命が延びるにつれてこの差が開いていけば、健康上の問題だけではなく、医療費や介護費の増加も予測され、家計へのさらなる影響も懸念されます。
こういった悪循環を起こさないために、皆さんも是非この機会を通じて運動を取り入れた生活を習慣化し、健康寿命を伸ばしていく取り組みを始められてみてはどうでしょうか?
【今回の執筆者】
作業療法士 大道浩志(おおみち こうじ)
作業療法は、「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われています。その作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれています。
私はそれらの活動に一番大切なことは「自らがすすんで行えること」だと思っています。
もちろんすべての面でうまくいかなくても、過程でひとつでもできることを増やせば前向きな気持ちになるのではないか?と日頃から考えながら皆様と関わっています。
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