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シーティングについて|リハビリテーション通信

江藤病院リハビリテーション通信

シーティングとは何か?

椅子や車いすに長時間座り続ける方の心身機能や生活状況を考慮し、良好な座位姿勢が確保できるように、機器の選定や調整をすることです。対象者の身体的などの状況により、さまざまな調整が必要となります。

基本的な姿勢

矢状面(しじょうめん:横から見た姿勢)
脊柱のカーブが保たれており、股関節・膝関節・足関節が見かけ上約90度、かかとが床にしっかり着く位置

前額面(ぜんがくめん:前から見た姿勢)
頭部がまっすぐで、左右の肩・肘・膝の高さが左右対称な位置

水平面(すいへいめん:上から見た姿勢)
頭部、体幹、骨盤がしっかり正面を向いている

姿勢が悪いとどうなるの?

上記の基本的な姿勢が崩れると、筋肉が過度に引っ張られている状態が続き、関節の変形や痛み(腰痛や膝関節痛、肩こりなど)が伴います。

生活面においては、長時間の座位保持が困難になり、仕事や趣味などの作業効率の低下や、食事の際の食べ物を噛む能力(咀嚼力)や飲み込む能力(嚥下能力)の低下も引き起こされます。

シーティングの評価

身体寸法計測:まずは座位姿勢にて身体の寸法を測ります。

そのあと、車いすの寸法を合わせていきます。

a 座位殿幅(ざいでんぷく):臀部の一番広い幅
座底長(ざていちょう):臀部後端から膝裏までの長さ
c 座位下腿長(ざいかたいちょう):膝裏から足の裏までの高さ
d 座位腋下高((ざいえきかこう):座面から腋の下までの高さ
e 座位肘頭高(ざいちゅうとうこう):座面から肘までの高さ

座位能力評価

簡易座位能力分類
車椅子に座ってから10 20 分程度でどのように姿勢が崩れているかをみます。

1. 座位に問題なし
特に姿勢が崩れたりせず座ることができる。自分で座る姿勢が変えられる。

2. 座位に問題あり
姿勢が徐々に崩れ、手で体を支える。
自分で座る姿勢を変えることができない。

3. 座位がとれない
座ると頭や身体がすぐに倒れる。
リクライニング車椅子やベッドで生活している。

マット評価

座位不能レベルや変形・拘縮のある利用者では、重力の影響を受けないマット評価によるチェックを行う必要があります。

車いすの適合

① 座面の大きさを決める
シート幅:「自走用」の場合は、座位殿幅+ 2 3 cm程度。
「介助用」の場合は、座位殿幅+ 3 ~5cm程度。

② 「シートの奥行き」を決める
基準になる寸法は座底長− 3 5cm 程度です。

③ バックサポートの高さ
上肢駆動の「バックサポート高」は、座位脇下高-7cmを上限とします。

④ アームサポートの高さ
「アームサポートの高さ」は、座面から肘までの高さ+クッション高+12cmです。

※調節できない場合は、必要な高さになるよう、クッション高を高めたり、ひじ掛け用のパッドを追加したりします。

シーティングの効果

・関節の変形予防や柔軟性の維持
・座っている時間の延長
・食事の際の飲み込みの改善

など、さまざまな効果があります。

シーティングを行うことにより、今まで不安定だった座位姿勢が安定することで身体機能の向上や生活能力の向上につながっていきます。


今回の執筆者:理学療法士 松本 将樹(まつもと まさき)
新卒で江藤病院に入職し今年で10年目になります。
現在は訪問リハビリテーションを担当させていただいています。
利用者様がより良い生活を送れるように精一杯務めさせていただきます。

 

 
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