美しい花には人の疲れた心を癒し、健康にしてくれる不思議な力が秘められています。
花を見て何となく気分が前向きになったりします。目で見て感じる形の美しさや色彩の豊かさ。これらはカラーセラピーと同様の効果があるといわれており、心の求める色を持つ花を見ることによって、リフレッシュ効果が期待できます。花の持つリフレッシュ効果は、想像以上に人の身体と心の健康に役立っていると言えます。花を眺めているだけで、心が落ち着き明るくなります。
そこで、
毎年春になると、病院・施設の玄関に美しい鮮やかな花を咲かせて、いつも来院された患者さんが「きれいな色をした花ね。」と、足を止めては見入ってくださる「君子蘭」を紹介します。
平成11年から毎年、水やり・肥料・植え替え・ハウス内の環境整備等のそれぞれの担当者が連携し合って、22年間、鉢を増やしながら育てて現在に至っています。
君子蘭について
君子蘭は実は蘭では無かった!
名前に「蘭」という名称が付いていますが、実は君子蘭はラン科ではなく、南アフリカ原産のヒガンバナ科クンシラン属の半耐寒性の多年草の植物で、明治時代に日本に入ってきたと言われております。君子蘭は、洋ランの仲間ではありませんが、蘭という名前が付くだけに洋ランに劣らぬ美しい花が咲きます。
3~4月に咲く君子蘭は、豪華で人目を引く大型の鉢花として古くから親しまれております。また、開花期間でなくても、艶のある濃緑色の葉が美しく観葉植物としても楽しめます。
君子蘭は一つの花茎から最大で20もの色鮮やかな花を咲かせます。春・夏の時期は明るい日陰を好み、強い日差しに当たると葉焼けを起こします。また、秋・冬は耐寒性がありますが、当院では翌年に向けて花をたくさん咲かせるために、日当たりの良いハウスの中で見守り育てています。暖かいと花茎の成長に影響を与えるので、気温の高い室内には置かないようにしています。また、水やりは年間を通して鉢の状態を観察して根元に与え、肥料は2月・10月にかかさず与えて、植え替えは3年ごと(5月から6月頃)に実施しています。
君子蘭の花言葉
君子蘭の花言葉は「幸せを呼ぶ」「望みを得る」と言われています。又、君子蘭は空気をきれいにしてくれる植物ですから、よく使う場所に置けば、日々新鮮な空気を吸うことが出来ると言われています。今はコロナ禍の大変な時期ですが、今年もきれいな赤橙色の花を皆様に見ていただきたいと思います。
江藤病院 副院長 大和孝子
大和副院長の次のコラムはこちら「看護のなかの出会い」