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変形性膝関節症の予防・改善【動画】リハビリテーション部

リハ通信38

前回は膝関節の痛みについて、主に変形性膝関節症の症状や原因についてお伝えさせていただきました。今回は、膝の痛みや変形で悩みを抱える方々に対して、変形性膝関節症の予防や改善方法についてご紹介します。

変形性膝関節症に対する主な治療は、「保存療法」と「手術療法」があるのですが、今回は「保存療法」についてお伝えします。

まず、変形性膝関節症に対する治療目標は、「膝関節の痛みを軽減して機能改善を図り、日常生活動作能力を維持・向上させること」です。

では、そのためにどういった対応をすればよいのか、引き続きご覧ください。

 

変形性膝関節症に対する予防・改善のために必要なこと

膝の痛みのために体を動かさずにいると、膝を支える筋力が低下し、運動不足のため体重増加を招きやすくなります。体重が増えてしまうと膝への負担が増え、痛みが増すという悪循環をきたしてしまいます。

膝の痛みを予防・改善するための基本は、「運動」と「体重コントロール」です。

それでも痛みが変わらない場合は、必要に応じて痛み止めなどの服薬や、膝に負担がかからないサポーターの使用の検討が進められていきます。

① 太りすぎに注意!

運動時に膝に加わる力は、歩いているときで体重の2-3倍、階段昇降で約4倍、立ち上がりの際には5-6倍もの重さがかかるとされています。特に肥満傾向の方は、膝関節の負担も大きくなるので、食事面においても気配りが必要となり、運動量とのバランスを整えていくことが大切です。とはいえ、1日3食きちんと食べるのが前提です。主食・主菜・副菜を組み合わせて、必要な栄養素を摂取するようにしましょう。

② 痛みを我慢してまで無理な仕事や運動は控えましょう

運動することは大切ですが、痛みがある場合は無理のない範囲で運動することが望ましいです。痛みが強いと膝に力が入らず膝折れしたり、無理な姿勢で体重をかけてしまい、傷ついた軟骨をさらに痛めることになります。痛いときには、階段や長時間の歩行、体重をかける運動はできるだけ避けるようにしましょう。また、可能であれば、膝を冷やさない工夫や椅子中心の洋式の生活が推奨されます。

③ 痛みのない範囲で効果的な運動を始めましょう

変形性膝関節症の進行を予防するには、膝の機能を維持することが大切です。そのためには日頃から膝を支える筋肉を鍛えたり、膝の曲げ伸ばしをよくするストレッチを行うことが大切です。

<運動により期待できる効果>

  • 膝を支える筋力を強化し、膝関節への負担を軽減する
  • 痛みによって緊張した筋肉をほぐすことができる
  • 痛みや緊張で拘縮した関節の可動域を拡大する

 

変形性膝関節症に効果的なトレーニング

ここで紹介する運動は、痛みが出づらく膝への負担が少ない運動です。ぜひ挑戦してみてください。1セット10回を目安にしてみましょう。

1.太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えるトレーニング 

 

<大腿四頭筋トレーニング>
 ① 椅子にすわる
 ② 片方の足を水平に伸ばす
 ③ 5秒キープする
 ④ 元に戻す

2.太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えるトレーニング(座って膝を動かす運動が難しい方向け) 

 

<パテラセッティング>
 ① 両脚を伸ばして座る
 ② 膝の下に置いたタオルをゆっくりと床に押しつける
 ③ 5秒キープする
 ④ 元に戻す

3.膝の関節可動域を広げるトレーニング 

 

<膝関節屈伸>
 ① 両脚を伸ばして座る
 ② 片方の踵をお尻に近づけて膝を曲げる
 ③ 曲げた脚の踵をお尻から遠ざけて膝を伸ばす

紹介した運動は、特に変形性膝関節症の初期~中期症状の方に効果的です。

痛みや変形が強く運動が難しい後期症状の方は、服薬療法や装具療法、手術療法の検討が必要になる可能性がありますので、病院受診をお勧めします。

リハビリスタッフからのメッセージ

当院でのリハビリテーション部門でも、膝の痛みによる生活の制限に関する悩みをお聞きする機会は比較的多いです。その際には、身体的な情報をしっかりと把握したうえで、患者様一人一人に応じた運動療法や生活の過ごし方についての提案や助言ができるように準備しています。現在健康に過ごされている方も予防が大切なので、簡単な運動から日常生活に取り入れていってみてくださいね。

 

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