OTC薬(Over-the-Counter薬)は薬局、薬店、ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品のことで、一般に手に入りやすく、軽度な症状の緩和や簡単な健康問題の対処に便利です。しかし、これらの薬物も注意が必要であり、正しい使用法を守ることが重要です。以下に、OTC薬の注意点と潜在的なリスクについて述べさせていただきます。
適切な用法の確認
OTC薬を使用する前に、必ず添付文書をよく読み、使用法や用量を理解してください。誤った使用法は健康に悪影響を与える可能性があります。
薬物相互作用への警戒: 他の処方薬やサプリメントとの相互作用に気をつけましょう。特に慢性的な疾患や既存の薬物治療を受けている場合、医師に相談することが重要です。
長期使用の制限
OTC薬は短期間の使用が前提とされています。長期間の連続使用は、健康に悪影響を与える可能性があるため、指定された期間を守りましょう。
成分の注意
同じ成分が複数の薬に含まれていることがあります。異なる薬を同時に摂ると、同じ成分を重複摂取することになり、過剰摂取のリスクがあります。
アレルギーの確認
薬物アレルギーがある場合、成分をよく確認してください。アレルギー反応が起きる可能性があります。
妊娠や授乳中の注意
妊娠中や授乳中の場合、使用する薬物が安全かどうかを医師に確認しましょう。一部の成分が胎児や授乳中の赤ちゃんに影響を与える可能性があります。
慢性的な症状への対処: 長期にわたる症状や慢性的な不快感がある場合、自己判断でなく医師に相談しましょう。隠れた健康問題が潜んでいる可能性があります。
一般用医薬品によるものと疑われる副作用報告について 平成19年度から平成23年度の5年間に製造販売業者から報告された一般用医薬品の副作用報告数は合 計1220例あります。
<出典:厚生労働省「2012年8月 医薬品・医療機器等安全性情報」>
OTC薬は手軽に手に入りますが、その使用には慎重さが求められます。自己診断や自己治療はリスクを伴いますので、健康上の不安や症状がある場合は、専門家に相談することが賢明です。
江藤病院 薬剤部
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