第4回では、ABI(血圧脈波検査)、スパイロメトリー(呼吸機能検査)、ホルター心電図(長時間記録心電図)の検査について紹介します。
●ABI(血圧脈波検査)
ABIとは、Ankle Brachial Index(足関節上腕比)の略で、両側の上腕と両側の足首の血圧を測定し比率を計算することで、末梢の血流状態や血管のつまり具合を調べる検査です。ABIと同時にPWVという項目も測定しています。
PWVとは、Pulse Wave Velocity (脈波伝播速度)の略で、心臓から押し出された拍動(=脈波)が動脈を伝わっていく速さを測定し、動脈の硬さを調べる検査です。ベットに仰向けで寝ていただき、両腕と両足首に血圧計のカフ、手首に心電図を記録するためのクリップ、胸に心臓の音を拾うマイクを装着します。
検査時間は検査準備を含めると20分程度かかります。
検査中は声を出さず体を動かさないように、リラックスして下さい。
●スパイロメトリー(呼吸機能検査)
スパイロメトリー(呼吸機能検査)とは、スパイロメーターという機械を使用して肺に出入りする空気の量を測定し、呼吸機能の評価や疾患の重症度などを評価する検査です。検査時間は10分程度かかります。
呼吸機能検査は、患者様の息の吐き方、息の吐く量、咳などで波形が変わってしまい、正しい検査数値が出ません。そのため調べる検査項目により、息の吐き方、息の吐く量を臨床検査技師が指示します。
コツが必要な検査ですが、正しい検査数値を出すために、肺がいっぱいになるまで息を吸い、肺が空っぽになるまで息を吐き出すようにして下さい。
●ホルター心電図検査(長時間記録心電図検査)
ホルター心電図検査とは、24時間心電図を記録し、脈の乱れ、胸の痛み、一日の心臓の動く回数や動悸などを調べる検査です。検査機器を装着するのに10分程度かかります。
検査機器装着後は、普段と同じ生活をして頂いて構いませんが、注意することがあります。
・入浴、シャワーは禁止です。
・コードを強く引っ張らないで下さい。
・電気毛布は使用しないで下さい。
・大量の汗をかくような激しい運動はしないで下さい。
検査機器が故障してしまうため、上記の注意事項を必ず守るようにして下さい。
機器を装着してから24時間経過してから取り外しを行います。
早めに来院された場合は、時間が来るまで待合でお待ち下さい。
当院で行っている生理検査についての紹介は、この回で最後となります。
ご清覧頂きありがとうございました。
江藤病院 検査部
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